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症状別

不眠について

不眠症の効能がある漢方薬があります。

東洋堂でも寝付きにくい、中途覚醒など睡眠に関する相談は多いです。

漢方薬のパッケージに書かれている効能効果に「不眠症」とあっても中身は千差万別です。
不眠症の漢方薬を服用する場合は、ご自身の体質に合っていないと効果が表れにくいです。

不眠症について体質別にご紹介します。

陰虚の不眠

東洋医学では陰陽という考えがあります。

  • 陽とは温める、行動する、興奮する
  • 陰とは冷やす、潤す、落ち着かせる

陰虚とは体の陰が不足した状態です。

陰が不足することで陽を抑えることができず、相対的に陽が強くなってしまいます。
冷やし、潤すものが足りないので体は熱を持ち、興奮状態になり睡眠が安定しなくなります。

手足がほてったり、寝汗をかく、口や喉が渇くなど体に熱の症状がでます。

高齢者や慢性的なストレスがある人はなりやすいです。
リラックスを心掛けたり、熱を生みやすいお酒を控えたりすることも大事です。

心脾両虚

考え過ぎや過労などで心(しん)と脾(ひ)に負担がかかることで起きます。
「心血虚(しんけっきょ)」と「脾気虚(ひききょ)」の症状が現れます。

心(心臓・こころ)は血流や精神活動の中枢をにない、精神活動には血(けつ)を消耗します。
「心血虚(しんけっきょ)」では全身に血(けつ)をめぐらせる働きが弱くなり、精神が安定せず、不安感や不眠の症状が出やすくなります。

脾(胃腸)は消化吸収により気血という体のエネルギーを生成します。
「脾気虚(ひききょ)」では脾に負担がかかり元気の気が不足することで、疲れや倦怠感が出ます。

心脾両虚では不眠症の他に四肢の倦怠感、元気が出ない、顔色が悪いなどの症状を伴います。

肝火

ストレスや怒りでも睡眠の質が下がります。

東洋医学で怒りは肝の働きと関りがあると考えます。
肝は西洋医学の肝臓と少し違い、感情や気血の流れを管理する役割があります。

怒りやストレスを放置しておくと肝に火がつき感情が乱れ不眠につながります。

このタイプは夢が多い、眠りが浅い、普段の生活でもイライラや怒りっぽい人が多いです。

女性の場合は生理前に胸が張ったり、体がほてったりします。

痰熱

痰というと咳と一緒に出る老廃物をイメージすると思います。
東洋医学の痰はもう少し範囲が広く「水の滞り」を指します。

このネバネバした痰を放っておくと熱を持ちます。
熱を持った痰は精神不安や不眠症の原因になると考えられています。

不眠症の他に胸の苦しさや吐き気などの症状を伴います。

食べ過ぎ、飲み過ぎを控えて運動をして体に余分な水分をためないようにしましょう。
お酒や甘い物が好きな人に多い不眠症です。

最後に

この様に不眠症といっても体質や原因で対応する漢方薬が違います。
実際には体質や原因が複雑に重なります。
自分がどんな不眠症なのか分からない方はぜひご相談ください。

時間をかけて相談すればきっとご自身に合った漢方薬と出会うことができると思います。

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