更年期障害②精神的不調
更年期障害の概要については前回の記事で書かせていただきました。
よかったらこちらもお読みください!
更年期障害でホットフラッシュに次いで多い症状が「精神的不調」です。
更年期には卵巣からでる女性ホルモンの分泌が低下することにより様々な精神的不調が引き起こされます。
一言に精神的不調といっても、抑うつや意欲の低下、イライラなど症状は様々です。
仕事を辞めて相談に来店された方もいました。
今回は更年期障害に起こりやすい精神的不調を解説していきます。
イライラタイプ
東洋医学では体を支える物として「気・血・津液(水)」があると考えます。
この中で気は体を温めたり、活動的にする重要な存在です。
気は体を巡っていますが、更年期ではこの気が滞りやすくなります。
気が滞るとイライラや体のほてり、胸やお腹が張ったように感じる方がいます。
ちょっとした出来事で爆発したり、怒りをコントロールできなくなります。
また、イライラが強いと寝る時間になっても興奮がおさまらず睡眠の質が低下します。
このタイプには気の滞りをとる漢方薬を使うと改善します。
普段の生活で心がけたいのが気を滞らせない養生です。
お話をする、軽い運動をするなどで気が動いて楽になる方もいます。
同じ姿勢が続くと気血の巡りが悪くなるのでデスクワークなど座り仕事が多い方は定期的に立って歩くなど動くようにしましょう。
香りの良いハーブティーなどもオススメです。
落ち込みタイプ
「気・血・津液(水)」 の血(けつ)は心を落ち着かせる性質があります。
血が不足すると心がソワソワ落ち着かなくなります。これを血虚といいます。
血虚の人は不眠症になったり、憂鬱な気分が増えます。
他にも皮膚が乾燥する、髪がパサつく、爪がもろい等になりやすいです。
このタイプは血を補う漢方薬を服用すると改善していきます。
すぐには補うことができないので、改善までには少し時間がかかります。
不安を助長するような情報から距離をおいたり、夜更かしなどはせずにキチンと睡眠を取ることが大事です。
意欲の低下、集中力の低下タイプ
気が不足すると意欲の低下、集中力の低下が現れます。
特に更年期のころは腎の気が不足します。
東洋医学で腎は生殖、成長、発育などに関する器官です。
女性は7年ごとに節目があり、体や心に変化が起こると捉えています。
古典によると42歳あたりから白髪が生え始め体力的に衰えを感じやすくなり、49歳ぐらいで閉経になるとされます。
意欲の低下や、集中力の低下に足腰の弱りや痛み、頻尿などが合わせて出ていたら腎の気が不足してきているかもしれません。
腎の気を補うには漢方薬が効果的です。
体調に合った漢方薬を続けることで腎の気を補うことができます。
薬膳ではわかめや昆布など海藻類は腎を元気にするとされています。
他にも黒豆や黒ゴマなども有効とされています。
最後に
今回、紹介した更年期障害に起こりやすい精神的不調はごく一部です。
現代人は忙しく、食生活やストレスの有無などが絡み合い症状が複雑になりがちです。
いつもお伝えしているように「更年期障害の精神的不調にはコレ!」というものはありません。
人によって症状も違えば対応する漢方薬も変化します。
東洋堂ではしっかり時間をとり相談したうえで漢方薬を決定します。
つらい症状をお聞かせください。
体質に合った漢方薬をご提案させていただきます。
気になる症状があればお気軽にご連絡ください。