癌(ガン)について
日本人の死因のトップは悪性新生物(ガン)で全体の約三割を占めるとされます。
2019年のデータによると日本人が一生のうちに癌と診断される確率は
日本人が癌で死亡する確率は
自分や周りの人にとって癌は身近な病と考えることができます。
実際、東洋堂でも癌の相談は少なくありません。
かつては胃癌の相談が多かったですが、近年は食生活などの欧米化で大腸癌や肺癌が多いです。
女性の場合は乳癌が多いです。
現在、日本の癌治療では手術、化学療法、放射線治療などが優先されます。
残念ながら日本の漢方薬には「癌」に効能効果があるものはないです。
漢方薬は体のバランスを整えることに重点を置いており、治療において個々の体質に合わせた処方が可能です。
これにより、癌の種類や進行度に応じた緩和ケアや副作用の軽減、体力の回復などの効果が期待できます。
一部の研究や臨床報告では癌治療に漢方薬を併用することで、生活の質(QOL)の向上や生存期間の延長をすると報告されています。
西洋医学と漢方薬
一般的に癌に対して漢方薬は補助療法や生活の質 の向上のために使われます。
癌治療には、三大治療とされる手術、放射線治療、抗癌剤(ホルモン剤を含む)があります。
どれも有効な治療ですが大きな副作用を伴います。
抗癌剤は癌細胞に対して攻撃しますが、正常な細胞にも攻撃をしてしまいます。
抗癌剤を使った後は白血球が減少したり、体にダメージが残り倦怠感や疲労感を感じることがあります。
また、体が弱った状態では抗癌剤を使うことができません。
抗癌剤を継続的に定められた期間使うために漢方薬が役に立ちます。
放射線治療は、癌に放射線を当て、癌細胞を破壊、小さくしたり消滅させたりする治療法です。
抗癌剤同様に正常細胞にも影響を与え、脱力感や倦怠感を感じることがあります。
長時間の手術では体の消耗が大きいです。
特に開腹手術の場合は大量の気血を消耗し体への負荷が激しいです。
漢方薬には病後、術後の体力回復に有効なものがあり、体質に合った漢方薬を服用することで社会復帰を早めることができます。
このような時に十全大補湯や補中益気湯などの補剤と呼ばれる体力を回復する漢方薬をを使うことで、抗癌剤や手術後の負担を減らすことができます。
抗癌剤の副作用の吐き気や口内炎に対しても有効な漢方薬があります。
また、開腹手術の後の腸閉塞の予防にも漢方薬が使われています。
これら口内炎や胃腸の不調で食事量が減ると体力の低下、生活の質の低下を招きます。
特に食欲が落ち栄養が不足すると癌に対する抵抗力が落ちてしまいます。
治療を継続し生活の質を向上させるうえでも漢方薬は役に立ちます。
メンタルケア
癌と診断されることの精神的ショックは計り知れません。
不安を感じたり、落ち込むことは当然です。
眠れなかったり、食欲がなかったり、集中力が低下する人も多いです。
さらに治療が長くなると精神的にも参ってしまい、中には生きる目的を失ってしまう方もいらっしゃいます。
漢方薬にはイライラ、不安感や不眠によく効くものがあります。
これらを活用することで睡眠の向上やメンタルケアをすることができます。
特に向精神薬など極力服用したくない人は漢方薬を飲まれるといいです。
また、漢方薬が有効なのは治療を受ける方だけではありません。
看病をされる方の中にも精神的に参ってしまう方もいます。
治療を乗り越えるには治療を受ける方、看病をされる方どちらの体調も大事です。
どちらの方にも漢方薬は有効です。
最後に
癌治療に対しての漢方薬の役割を解説してきました。
漢方薬により不調が緩和できると生活の質の向上、日々の活力の源になります。
気になる症状があばお気軽にご相談ください。